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かりんと みりんぼし

ゲーム中心オタクネタだらけ(たまに日常)の自己満足日記。 現在あさき、ゆめみし(愁沙耶)でのそのそ活動中。

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そして明日に繋がる

うっかりお久しぶりです。生きてました。放置すいませんスライディング土下座。
ついったの方に入り浸って更新するの忘れてたとかもう本当に…(遠い目)。
お仕事が予想外の展開になってしまってドタバタしてる以外は元気です。
あ、別にあさき熱が冷めたワケではないですよ!むしろまだ加熱してる!
1月にインテで開催されるコミックシティにも参加するくらいにはまだ現役です。
インテの情報は追々載せていきます。申し訳ねえっす。
ピクシブの方には少し情報がありますのでそちらを参考にして頂ければ。
新刊出るよ!鬱ネタだけど!(誰得だ)

さてさて今回はふと思い立って衝動のままに書いた妄想小話を。
PC版では安綱EDとして名高かった「そして明日に繋がる」の没ネタ妄想です。
設定資料集を持ってる方は分かると思いますが愁沙耶です。鬱ネタです。
……ほんっと鬱ネタ大好きだよなー私。
ネタバレかつ拙い話ですがどんと来いな方は続きをどうぞ。






※バッドED「そして明日に繋がる」のネタバレがあります。







たぶん、彼は予想していたのだろう。
今宵、わたしが来ることは。



「……愁ちゃん……」
夜風に黒いロングコートがはためく。
痩躯がゆっくりとこちらを振り向いた。
「決めたんだな」
短く、はっきりと愁ちゃんが尋ねた。
「うん」
みんなは反対した。
わたしがそこまで郷にする必要はないと。
だけど、わたしはとっくに決めていた。
一人が犠牲になれば、1000人が助かる――。
退魔師は人の世を守るために存在している。
わたしは、退魔師。
どちらを犠牲にするべきかなんて、わかりきったこと。
「……そうか」
愁ちゃんが淡々と呟いた。
彼はわたしを止めようと待っていたのかもしれない。
だけど、止められないこともきっと知っていたはずだ。
「――行こう」
愁ちゃんがわたしの手を取る。
どこへ、とは問わなかった。
その手は昔と同じ暖かさだった。

手を引かれ、辿り着いたのは名無しの神社だった。
「ここ……」
「安綱殿は、ここに荒神が封じられている、と言ったな」
不思議そうに社を見るわたしに、愁ちゃんが語りかける。
来たばかりの頃に言われた言葉を思い出す。
あまり近付いてはいけない、と。
「荒神は、いない。ここに封じられているものはもっと大きなものだ」
驚くわたしに愁ちゃんが静かに告げる。
「黄泉路への道だ」
「そんな……どうして……」
「昔、ここで人と妖の争いがあった。その争いで黄泉路が開けられ、亡者が遣われた。
 それをご当主の祖先が封じたものがここだ」
淡々と告げられる事実。
「だから、ここに結界が……」
愁ちゃんが頷く。
「黄泉路を封じ、結界を張り直せばこの郷は守られる。お前の血なら、数百年は持つだろう」
「……」
結界を、張り直す。
恐らくそうやって長い間、この郷は平和を保ってきたのだろう。
たまたまわたしの順番が今回ってきただけ。
遅かれ早かれ、わたしはそういう運命を辿るのだから。
だから、きっと、この震えは気のせい。
「――もう行こう。時間がない」
繋いだままの手を引かれ、奥へと進む。
ほんの一瞬振り返った先に、一か月程慣れ親しんだ屋敷が見えた気がした。

深く、昏い。
顕世と幽世の狭間に辿り着いたわたしに愁ちゃんが告げる。
「ここから先に行けば、もう戻れない。
 ――お前は、それでいいのか?」
しっかりとわたしを見つめて、最後の通告をする。
「もう、決めたから。大丈夫」
見つめ返して、きっぱりと決意を告げる。
愁ちゃんは目を逸らさなかった。
「そうか」
そこにあったのは、一人の退魔師としての揺らぎない、冷静な顔。
「――じゃあ行こう。この辺りは足元が安定していない、気を付けるんだぞ」
また手を引かれ歩き出した時、ふとあることに気付いた。
戻れない、と愁ちゃんは言った。
それは――。
「待って!愁ちゃんは……戻れないって、愁ちゃんは――」
その時、わたしは初めて知った。
振り向いた愁ちゃんは、微笑んでいた。
少し困ったような、でも優しい見慣れた笑顔。
わたしの大好きな、笑顔。
ああ、愁ちゃんは――
「行こう、沙耶」
愁ちゃんは、わたしよりもずっと前から覚悟を決めていたんだと。

永遠にも思えるような、ほんの一瞬にも感じるような時間をかけて、
わたしたちはその場所へ辿り着いた。
郷を守るために何度も血が流された場所。
「愁ちゃん、わたしは」
どうしたらいい?
その言葉は途切れた。
全てが紅く、染まる。
一瞬のことに何が起こったかわからなかった。
「っ、あ……」
勢いよく噴き出す、紅。
斬られたのだと、やっと理解できた。
愁ちゃんは静かにこちらを見ていた。
その手に握られた濡れて輝く利剣が全てを物語っていた。
ああ、きらきらして綺麗だな、と他人事のように思った。
ぐらりと視界が大きく揺れる。
だけど、すんでのところでわたしの身体は地面には倒れなかった。
そのままきつく、抱き締められる。
「――沙耶」
駄目だよ、愁ちゃん。
抱き締めたら、血で汚れちゃうよ。
「沙耶、沙耶――」
どくどくと止まることなく流れる血がわたしの制服を、
愁ちゃんのコートを、シャツをあっという間に染めていく。
「沙耶、沙耶、沙耶――」
噴き出し続ける血が足元に溜まっていく。
少しずつ、取り巻く気が清浄なものへと変わっていくのが分かる。
「沙耶、ごめん――ごめんな」
どうして泣いているの?
わたし、自分の役目を果たしただけだよ。
こうなることなんて、後悔してないんだよ。
ただちょっと、怖いだけ。
震える大きな背中に手を伸ばす。
力が上手く入らなくて、抱き締めることはわたしには出来ない。
それでも精一杯手を伸ばした。

優しい人。
世界でいちばん、大好きな人。
貴方と離れるのがわたしは怖い。

意識がゆっくりと遠くなっていく。
身体が冷たくなっていくのがわかる。
だけど抱き締めてくれる彼は暖かくて。
「俺はお前が望むなら、ずっと側にいる」
低く優しい声が耳元で囁く。
「だから、もう一人になんてしない」
ねえ、最後のお願い。
そのままずっと抱き締めてて。

「俺たちはずっと一緒だ」





全てが終わった。

抱き合うように倒れた二人がそこにいた。
紅に染まるその身体を、利剣が真っ直ぐ貫通していた。
血に翻弄され、想い合いながらもついに添い遂げることが出来なかった二人。
最後まで彼らは離れることがなかった。
穏やかに眠る彼らは今、夢の中にいるのだろうか、と薙羽哉は思った。
どうすることも出来なかった自分には祈ることしか出来ないけれど、どうか――。

幸せな夢であって欲しい。
それがたとえ、決して叶うことがない、歪な夢だったとしても。

| あさき、ゆめみし | 20:24 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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